帯広かわにしの挑戦
スマート農業の取組 日本電気株式会社(NEC)HPで紹介
スマート農業の実装に向け、共に奮闘していただいている日本電気株式会社(NEC)様のHPで詳しく紹介されました。
NEC様には、スマート農業の実装において必要不可欠である「通信インフラ」分野で特にご協力をいただいております。
「北海道の大規模農地でNECが挑む最新の無線通信技術とAIで生産性を向上」と題し、令和6年度に実施したロボットトラクタやドローンでの実証の様子や、NEC様のスマート農業展開への思いも動画で紹介されていますので、是非ご覧ください。
川西地区はもちろん、十勝さらには世界まで見据え、スマート農業の展開に挑んでまいります。
「十勝川西長いも」が宇宙へ
JA帯広かわにしと株式会社極食が共同で開発に取り組み、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、「JAXA」)より認証されている「十勝川西長いも」を主原料とした宇宙日本食5品目が、大西卓哉宇宙飛行士の国際宇宙ステーション(以下、「ISS」)長期滞在ミッションにおいてISSに初搭載されます。
ISSに搭載される「十勝川西長いも」の宇宙日本食
十勝川西長いもとろろ | 宇宙日本食 | JAXA 有人宇宙技術部門
十勝川西長いも肉巻焼き | 宇宙日本食 | JAXA 有人宇宙技術部門
十勝川西長いもトマト煮込み | 宇宙日本食 | JAXA 有人宇宙技術部門
十勝川西長いも十勝オムレツ | 宇宙日本食 | JAXA 有人宇宙技術部門
十勝川西長いもグラタン | 宇宙日本食 | JAXA 有人宇宙技術部門
※認証主体は株式会社極食です。宇宙日本食はISS搭載向けに開発・提供するものであり、一般販売はしておりません。
「十勝川西長いも」について
「十勝川西長いも」は、JA帯広かわにしをはじめとする北海道十勝管内の10JAで生産されており、広域産地化で通年供給を可能にするとともに、生産者の弛まぬ努力で安全・安心を追求しブランド化を進め、海外輸出にも取り組んできました。
大西卓哉宇宙飛行士のISS長期滞在ミッションについて
大西卓哉宇宙飛行士は、2025年3月15日(土)8時3分(日本時間)以降に(JAXA発表の打ち上げ目標日時、本リリース発出時点)スペースXのクルードラゴン宇宙船で打ち上げられ、約半年間ISSに長期滞在する予定です。「きぼう」日本実験棟における科学実験、ISSの各施設の維持保全等を実施します。さらに、ISS船長として、ISS全体のミッションの達成及び全搭乗員の安全確保に向けて指揮をとります。
JAXA|大西宇宙飛行士 ISS長期滞在ミッション特設サイト
大西卓哉 (JAXA宇宙飛行士)Takuya Onishi(@Astro_Onishi)さん / X
宇宙日本食について
宇宙日本食は、食品メーカーなどが提案する食品をJAXAが定める宇宙日本食認証基準と照らし、基準を満足している場合に宇宙日本食として認証するものです。ISSに滞在する日本人宇宙飛行士に、日本食の味を楽しんでもらい、長期滞在の際の精神的なストレスをやわらげ、ひいてはパフォーマンスの維持・向上につながることを目的として開発したものです。
2025年3月14日現在、31社/団体の56品目が宇宙日本食に認証されています。
「十勝川西長いも」宇宙日本食の開発ストーリー

左:株式会社極食 阿部代表
右:故 有塚利宣組合長
「十勝川西長いも」は選果場が衛生管理の国際規格HACCP、品質の国際認証規格SQFを取得する等、食の安全・安心を目指してきましたが、「究極の食の安全・安心を追求する」という故有塚利宣組合長の言葉のもと、次なる挑戦の舞台としたのが宇宙でした。「十勝川西長いも」を主原料とした宇宙日本食を発案、製造を株式会社極食に委託し、共同で開発に取り組みました。宇宙日本食認証には様々な基準・審査があり、HACCPと同等の衛生管理体制に加え、食品の衛生性、栄養性、品質、保存性、包装の完全性、ISSでの調理性、輸送性等が要求されます。長いもは土壌由来の細菌が付着しており、風味を損なわないようにしながら、細菌を殺菌しコントロールする方法を見つけることは困難を極めました。5年7カ月の開発期間を経て認証基準を全てクリアし、2023年11月14日、「十勝川西長いもとろろ」など5品目が、JAXAから宇宙日本食として認証されました(認証主体は株式会社極食)。いずれもフリーズドライで、十勝川西長いものほか、十勝産の牛乳やバター、砂糖が使用されています。例えば「十勝川西長いもとろろ」は粉末に水を加え(ISSの調理設備で水を注入)、揉むと粘り気が出て、とろろ本来の食感を宇宙でも味わえるようになっています。
これからもJA帯広かわにしは食料基地としての役割を果たし、日本から海外、宇宙まで、安全・安心で美味しい農畜産物をお届けできるよう努め、挑戦を続けてまいります。
ロボットトラクター4台同時制御実証試験
10月17日に帯広市基松町の圃場にて、総務省「地域デジタル基盤活用推進事業」の実証試験として、コンソーシアムのメンバー約30人が見守る中、初めて無人ロボットトラクタの4台同時制御を行いました。
約2ヘクタールの2つの圃場にロボットトラクターを2台ずつ配置して、それぞれプラウ、ディスク、ロータリー、ポテトプランターによる作業を同時に行いました。4台は長距離無線通信が可能な「Wi-Fi・HaLow」を通して制御され、2つの圃場の中心で作業員1名がトラクタの位置情報や作業進捗が映し出されるタブレットパソコンを確認しながら4台を同時制御しました。
大きなトラブルもなく、実証試験は無事に終了しました。今後は、現場実装による労働力不足解消の実現に向けて現地試験を重ねて参ります。
スマート農業オープニングセレモニー
スマート農業オープニングセレモニーが7月21日に帯広市川西農協本店で開催されました。当日は、事業のコンソーシアムのメンバーである、日本電気(株)や(株)ズコーシャ、帯広畜産大学の他に、帯広農業高校の生徒や農協役員など約100名が参加しました。
ロボットトラクタとドローンが展示され、それらが醸す壮観な景色の中、地域農業の大きな節目となる第一歩を力強く印象付けられました。有塚組合長は「少子高齢化は農業の世界でも同様で生産者人口が減少しているが、少人数でも生産が行えるよう、生産効率の向上を図るためにスマート農業の展開が必要である。」と話され、また帯広市長と十勝振興局長からはお祝いの言葉を頂きました。
長いも罹病株のAI判定
長いもの栽培は、一辺500m以上の圃場内を歩いて病斑、罹病の識別を実施し発見時に罹病株を人手で抜き取る作業が必要となります。巡回作業は、圃場の面積が広く、生育期における毎日の目視確認は負担が大きく、罹病株判定のノウハウが人に依存するなどの課題があります。
今回の地域デジタル基盤活用推進事業の実証試験ではドローンを圃場上空で飛行させて長いもの葉を高画質なカメラで撮影し、ローカル5Gを利用し、圃場内のPCに転送し、高精細の映像のまま、AIによる映像解析を実施します。